我が家は節約のため毎年自動車保険を乗り換えています。ダイレクト型の自動車保険は初年度こそ割安ですが、無事故でも二年目から保険料が上がることが多く、更新するとかえって損をしてしまうためです。また複数の保険会社を比較すると年間で数万円の差が出ることもあるため、毎年時間をかけて選んでいます。
自動車を購入した際に勧められるまま加入し、そのまま更新し続けている方も多いかもしれません。しかしその場合、割高な保険料を払い続けていたり、本来不要な補償まで付けてしまっている可能性があります。
保険は暮らしによって必要な項目も補償額も異なります。本記事では自動車保険の基礎知識と選び方を解説しますので、無駄のない保険選びの参考になれば嬉しいです。
自動車保険は絶対必要
保険の基本的な考え方
保険は病気、事故、自然災害等の予期せぬ損害に備えるためのものです。日本は社会保障が充実していますが、それで賄えない部分を民間保険でカバーするのが基本的な考え方です。
例えば病気への備えとしては公的医療保険があるので十分という考え方もありますし、先進医療を受けたいとか、入院時は個室に入りたいという場合は公的医療保険では支払われないため、民間医療保険に加入する必要があります。例えば家族を養っている人は、死亡や高度障害などによって収入が途絶えてしまうことに備えて生命保険が必要ですし、単身者であればお金を残す必要がないため生命保険は要らないということになります。
このようにそれぞれの暮らしによって必要な保険というのは異なります。但し公的保障だけでは不十分で、民間保険に入らないと誰もがリスクを有するのが自動車です。
任意保険の加入率
自動車保険には自賠責保険と任意保険があります。自賠責保険は強制保険とも呼ばれ、法律で全ての自動車に加入が義務付けられている公的保障です。自賠責保険は被害者救済を目的としたものなので、補償範囲は対人賠償のみで補償限度額も低く、自賠責保険で補償されない部分を任意保険(民間保険)でカバーする必要があります。日本損害保険協会によると、2023年3月末時点で対人・対物保険の加入率は全国平均で約75%です(自動車保険 都道府県別加入率)。JA共済等の協同組合が運営する自動車共済と合わせると実質的な加入率は90%近くになるそうなのですが、逆に言うと10台に1台は任意保険に未加入であるということを示しています。
補償リスクに備えていない人がこれほど多いのは驚きですが、こちらとしては無保険車との事故リスクにも備える必要があるということです。
事故はいつ起こるかわからないので必ず加入
自動車保険は事故を起こさなければ使うことがなく、毎年ただ支払うだけの掛け捨てです。任意保険に未加入の人の中には、何年も事故を起こさなかったので止めてしまったという人もいるかもしれません。しかしいつ起こるのかがわからないのが自動車事故です。30年無事故の人でも明日起こるかもしれません。自分が安全運転していてももらい事故をする可能性もあります。
一度事故を起こすと治療費や修理で数十万~数百万はかかり、場合によっては数千万~数億円の支払い義務が生じる場合もあります。高額の支払い責任が生じた場合、経済破綻し人生が崩壊することになります。そんな事態に陥ることを防ぐために、絶対に任意保険に加入しなければなりません。
任意保険未加入で起こりえるリスク実例
任意保険未加入での事故は大小さまざまなリスクがあります。私が知人から聞いた任意保険未加入で事故を起こした人の実例を紹介します。
実例1:粗暴な相手に脅迫的な言動を受けた
任意保険が切れた状態で運転し人身事故を起こした。自賠責保険は示談交渉サービスがないため、自分で相手方との交渉をする必要が生じた。不幸なことに相手方が粗暴な人間で、脅迫的な言動を受けることに。外傷はないものの首や腰が痛いと半年以上に渡って治療が続き、自動車の修理費用や代車の支払いについて、声を荒げる相手と直接交渉。最終的には少額訴訟され、相手方の要求額満額の200万円超を支払い命じられるに至った。
実例2:子どもがドアをぶつけて30万円
任意保険が切れて再加入を検討していた矢先、駐車場で子どもがドアを開けた際に隣の車にぶつかり傷をつけた。小さな傷に思えたが、相手からはドア一枚丸ごとを交換要求され、30万円支払った。
これらの実例はどちらも経済破綻するほどの補償義務が生じなかったことが不幸中の幸いですが、任意保険に加入していれば大きな負担なくスムーズに事故後の処理を終えられたはずです。
自動車保険の基礎知識
自賠責保険と任意保険
- 自賠責保険
強制保険とも呼ばれ、法律で全ての自動車に加入が義務付けらています。被害者救済を目的とした保険で、補償範囲は対人賠償のみと最低限です。また保険会社は法律で定められた基準に従い保険料を支払うだけで、加害者の代理人として被害者との示談交渉を行うことはできません。 - 任意保険
自賠責保険で補償されない部分をカバーするための保険です。加入義務はありませんが、対人・対物補償、自車両の補償、示談交渉サービス、ロードサービスなど、事故時の負担を大きく減らすための重要な役割を持っています。
代理店型とダイレクト型
- 代理店型
保険会社と契約者の間に保険ショップやディーラー等の代理店が入り、営業担当者と対面で契約します。専門家に相談できる点がメリットですが、人件費や店舗運営費がかかるため、保険料はやや高めになります。 - ダイレクト型
インターネットで契約者が直接保険会社と契約します。見積取得も契約もオンラインでき、保険料が割安になる傾向があります。初年度は新規割引で安くなっていますが、無事故でも二年目から保険料が上がることが多いです。
責任割合(過失割合)で損害補償額が決まる
自動車事故の損害補償額は責任割合(過失割合)で決まります。過失割合は事故の原因について、加害者と責任者の責任の割合を数値化したもので、例えば右折車と直進車が事故を起こした場合、右折車80%、直進車20%といった割合を、過去の判例をもとに保険会社が算定します。この例による損害額が100万円だった場合、右折車は80万円、直進車は20万円を負担することになります。
基本的には一方が停止していた場合や、重大な過失がある場合(信号無視、逆走等)以外は100:0となることはありません。
保険料の決まり方
保険料は年齢や等級、車種、使用目的、運転者条件などで決まります。
- 年齢
若いほど事故率が高いため保険料が高い。 - 等級
6等級から始まり一年間無事故で更新すると等級が一つ上がる。等級が上がると割引率が増える。事故を起こすと等級が下がり、翌年以降の保険料が上がる仕組み(事故有係数適用期間)。最大20等級。 - 使用目的
保険料は「業務 > 通勤・通学 > 常・レジャー」の順となる。子どもの送迎を通勤・通学に含む場合と含まない場合があるなど、保険会社によって定義が異なる。 - 走行距離
年間走行距離が長いほど保険料が高い。 - 運転者条件
本人限定や配偶者限定に比べ、補償対象の運転者が増えるほど保険料が高い。 - その他
免許証の色(ゴールド割引)、居住地域、特約。
任意保険は一年契約
多くの保険会社は一年契約を採用しており、一年毎に等級や年齢等を確認し、保険料が変動します。一部の保険会社では二年・三年契約もあるようですがまれです。
保険の重複は避ける
損害保険の場合、受け取れる保険金は実際の損害額だけです。例えば100万円の損害に対してA社とB社でそれぞれ100万円ずつ保険をかけていた場合、200万円受け取れるわけではなく、A社とB社それぞれから50万円ずつ受け取ることになります。これは保険が重複している状態であり、掛け金が無駄になるため避ける必要があります。
補償項目の意味と必要性を考える
補償項目は手厚くすればするほど保険料が上がります。自分のライフスタイルから必要な補償を選びましょう。
補償項目一覧
1)主な項目
- 対人賠償保険
他人を死傷させた損害賠償責任を負った場合、自賠責保険を超える高額な補償をカバー。補償金額は無制限を基本とする。 - 対物賠償保険
他人の車、家屋、ガードレール等の財物に対する損害を補償。高額賠償が発生しやすいため、補償金額は無制限を推奨。 - 人身傷害保険
自身や同乗者のケガ・死亡の際に、過失割合に関係なく実損害額を補償する。単独事故や無保険車との事故でも支払われる。 - 搭乗者傷害保険
人身傷害保険と異なり定額補償。人身傷害保険の上乗せのイメージ。加入率25%程度と低め。 - 車両保険
自身の車両の修理費用などを補償。車両保険を付与すると保険料が大幅に上がる。一般型とエコノミー型があり、エコノミー型は単独事故・当て逃げの補償を除外する分、価格が抑えられる。保険金額は時価相当額で決められ、車両の年数が経過すると修理費用が保険金額を超える場合も出るため、付帯していても10~13年程度で外す人が多い。
2)オプション(特約)
- 無保険車障害特約
相手が任意保険に加入していない、または十分な補償を持っていない場合に備える補償。自動付帯されていることが多い。 - 弁護士費用特約
事故で相手と交渉が必要になった際の、弁護士への相談・依頼費用を補償。特にもらい事故で過失0%の場合、法律により保険会社が代理人として交渉できず、自身で交渉する必要がある。このとき弁護士費用特約を使って弁護士に依頼し対応してもらうことが可能。ソニー損保のみ日常事故も補償する特約がある。 - 代車費用特約
修理中に代車を借りる費用を補償。車が生活必需品の人は付与すると安心。 - 個人賠償責任特約
日常生活で他人に損害を与え賠償責任を負った場合の補償。火災保険にも付帯できるので重複に注意が必要。 - ロードサービス特約
バッテリー上がり、ガス欠時の給油等の応急対応の補償。自動付帯されている保険も多い。
私の自動車保険紹介
毎年ダイレクト型で乗り換え
上述の通り、代理店型とダイレクト型ではダイレクト型の方が価格を抑えられるので、我が家はいつもダイレクト型です。またダイレクト型は無事故でも二年目から保険料が上がるため、毎年乗り換えています。乗り換えの際は各ダイレクト型保険のHPで見積比較して決めています。
我が家の直近数年の契約先
2021年アクサダイレクト
2022年おとなの自動車保険
2022年おとなの自動車保険
2023年おとなの自動車保険
2024年三井ダイレクト
2025年ソニー損保
2026年三井ダイレクト
この中では弁護士特約に日常事故補償付きを選べるのがソニー損保だけです。そこに魅力を感じ昨年は他より少し高くてもソニー損保にしたのですが、今年は二年目になるので同補償内容でも一万円上がるという連絡があり、三井ダイレクトに乗り換えました。
| ソニー損保 | 54,000円(昨年44,000円) |
| 三井ダイレクト | 41,000円 |
| SBI損保 | 47,000円 |
| おとなの自動車保険 | 45,000円 |
| アクサダイレクト | 64,000円 |
特に弁護士特約の日常事故補償にこだわらなければ、三井ダイレクトとおとなの自動車保険がいつも安いイメージです。
私の保険契約内容
2026年の私の保険契約内容を紹介します。近年レンタカーの費用も上がっていることから代車費用を引き上げましたが、その他はだいたい毎年同じような内容です。
- 対人賠償保険
無制限 - 対物賠償保険
無制限 - 人身傷害保険
無制限 - 搭乗者傷害保険
なし。但し保険料が安いのでいくらか付帯しても良いかも。 - 車両保険
エコノミー型。我が家の車は10年を超えていますが、まだ時価での補償額がつくので、事故時の修理費用として付帯。 - 車両全損時復旧費用特約
100万円。修理費用が時価を超える場合の補償として付帯した。 - 無保険車障害特約
自動付帯。 - 弁護士費用特約
自動車事故型付帯。自動車+日常事故型がソニー損保しかなく諦めた。 - 代車費用特約
日額7,000円。我が家は毎日使用するため昨年の日額5,000円から手厚くした。 - 個人賠償責任特約
なし。火災保険で加入しているため。 - ロードサービス特約
自動付帯。
おわりに
本記事では自動車保険について紹介しました。運転される方は自分の生活を守るため、絶対に任意保険に入りましょう。一年更新なので途切れることのないように確実に更新することが大切です。そして本記事を参考に無駄のない保険選びをしていただければ嬉しいです。