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HOUSE 住宅購入

私の出会った物件あれこれ ~その1~

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私は今の住宅を購入するまで2年以上もの間物件を探していたので、色々な物件を見てきました。

住宅情報サイトに掲載された物件の中で、実際に不動産会社へ連絡して実際に内見に行った物件や、Google Mapで検索して自分で調査した物件も多く、サイトで閲覧した物件を含めれば、検討したものは百件を超えています。

今回はそんな中で私が実際に出会った物件について紹介したいと思います。

内見して購入を見送った物件

物件を探すにはまず住宅情報サイトで検索し、気に入った物件が出たらその物件を取り扱っている不動産会社へ連絡し内見という流れが一般的だと思います。

私は住宅情報サイトで気に入った物件を見つけたら、次にGoogle Mapで情報を集め、条件が良さそうなものはまず自分で現地へ見に行き、それでも気に入った物件だけ内見へ行くようにしていました。

それだけのステップを踏んでいたので、検討した百件を超える物件の中で、実際に内見に行ったのは数件程度です。

ここでは内見に行ったものの購入を見送った物件を紹介します。

容積率超過を隠して販売

練馬区のある物件は少し古いのですが、建物も大きく周辺相場より比較的安い物件でした。Google Mapで調べても条件は良さそうなので自分で現地へ見に行ったのですが、陽当たりも良く周辺環境も悪くありませんでした。そこで不動産会社へ連絡し内見に行ったのですが、ネットや外観ではわからなかった情報がどんどん出てきました。

まず告知事項として伝えられたのか基礎の大きなクラック。浴槽が中二階にある珍しい物件で、浴槽の下が車庫になっていました。その中二階を支えている鋼材の下にある基礎の大きなクラックです。浴槽の重量がかかっているため破損したのだと考えられます。

次に伝えられたのがベランダの笠木カバーの劣化による浸水と腐食。笠木とはベランダの腰壁上端に渡す横木のことで、木材が腐食しないようにアルミカバーを被せます。そのカバーの継ぎ目の亀裂から浸水がしていたそうで、ベランダに出てみると床がギシギシして不安定で今にも崩れそうでした。

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笠木カバーの参考写真。腰壁上端のカバーを笠木カバーと言います。

そして営業担当者から伝えられた極めつけが「この物件はちょっとだけ容積率超過してるんです。ただ建築士の指摘は受けていないので、『遵法性不明』として銀行へ提出しますし、そもそも超過もわずかなので融資してくれる銀行はありますよ」との衝撃内容。

本来なら物件掲載時に「容積率超過」と書くべきで、それがわかっていたら私は内見に行きませんでした。それを隠して内見者を募り、口車に乗せて販売してしまおうという不誠実な営業方法です。営業担当者の言う通り今回ローンが通ったとしても、自分が売却する時に同じように隠して売れるかはわかりません。そもそもそんなことはしたくないので容積率超過物件として売りに出すことになり、価値が大幅に下がってしまいます。

重ねて「お客さんが売却する頃には建物価値はなくなっているので、『古屋付き土地』として売れば大丈夫ですよ」といい加減なことを言うので、丁重にお断りしました。

私道共同所有者20名

私道負担有りの物件は買わないと決めていた私ですが、一度買う直前まで行ったことがあります。西東京市のある物件は、住宅情報サイトに私道負担有りと書いてあったのですが、住宅の造りや間取りも良く、武蔵野市に近くて価格も良かったことから、内見を申し込みました。

住宅情報サイトに掲載されてすぐ申し込んだので一番乗りで内見予約することができましたが、週末に内見した際は私に続いて二番手の方も内見に来ているという人気物件でした。居住中物件でしたがご年配のオーナーさんもとても感じが良く、家もとてもきれいに管理されていましたし、前の道路は6mと広くゆとりがある上、袋小路なのでこの区域に住む方しか使わない静かな住環境です。それが私道であるということを除いては完璧な物件でした。

この区域は17件程が同時に建てられた分譲開発地なのですが、この中の袋小路の道路は全て私道です。不動産会社から掘削承諾書を受領済みだと見せてもらうと、私道共同所有者がなんと20名もいます。これだけ多くの所有者がいることも驚きだったのですが、どうも親子で権利を分けている方がいるようで、この区域の住宅数より多くの所有者がいました。更にそのような方は他県に住んで所有権だけ有しているという複雑な状況でした。

この私道は20年経過しても破損もなくきれいな状態だったのですが、いずれメンテナンスは必要です。私の住宅と関係ない奥側のアスファルトが破損しても費用負担しないといけなかったり、自宅前の道路を補修しようとしたら遠方の人も含めて20人の合意を得ないといけないと思うと気が遠くなり、とても良い物件だったのですが泣く泣く見送ることにしました。

もし購入していたら数年、数十年後に私道の補修問題に頭を悩ませていたことと思います。当時この物件を見送るのが正しいのかとても悩みましたが、その後もっと条件の良い今の住宅に出会えたので、結果としては正解でした。

狭いLDK

国立市の物件はJR中央線の駅まで10分程度で、南側の庭が広くい日当たりの良い物件でした。住宅を探し始めて初期の頃に初めて内見に行った物件で、少し古いですが瓦屋根の昭和の住宅でした。既にオーナーは転居されていて空き家だったのですが、訪問日にオーナーがメンテナンスに来られていて周辺情報などお話を聞くことができました。

建物の状況や周辺環境は良かったのですが、問題はLDKでした。住宅情報サイトの間取り図や写真では10畳と記載されていましたが、実際に見に行くと8畳くらいしかないイメージで、壁付けキッチンと食器棚、ダイニングテーブルを置くといっぱいになってしまうようでした。

車庫も狭かったこともあり見送りましたが、内見に行って実際に見てみる重要さを感じた物件でした。

さらに問題はその後で、内見のため不動産会社に情報登録したので、営業担当から何度も物件紹介のメールや電話が入るようになりました。自分で住宅情報サイトで探すから不要だと伝えたのですが、一方的に希望していない物件を並べられて、断るのが大変でした。この時の経験で内見は本当に見に行きたい物件だけに絞る必要性と、不動産会社に登録しても出てくる物件は住宅情報サイトと大差ないことがわかりました。

現地確認して購入を見送った物件

前述のように、私はネットで条件が良さそうな物件を見つけたら、内見の前に自分で現地へ見くようにしていました。これはなかなかコツが必要で、住宅情報サイトの物件情報には一般的に住所は「〇〇丁目」まで記載されていますが、番地は書かれていません。自分で現地へ見に行くためには住所を調べる必要があります。

不動産会社に問い合わせるのが一番早いのですが、情報登録する必要があるので、営業がかかるようになってしまいます。そこで自分で調べるために活用できるのがGoogle Mapです。

住宅情報サイトに掲載されている物件には外観写真と周辺情報(Aスーパーから〇分、Bバス停から△分)が書かれていますので、〇丁目という住所と周辺情報からエリアを絞り、Google Mapの航空写真とストリートビューで該当の物件を探すのです。

Google Mapを駆使して住宅情報サイトではわからない情報を補完して、それでも気になる物件は現地へ見に行っていました。

ここでは現地へ見に行って見送った物件を紹介します。

幼稚園が目の前

東大和市に整形地で建物の形や間取りも良く、価格も程良い注文住宅がありました。住宅情報サイトに掲載されてすぐにGoogle Mapで場所を調べたのですが、その物件は大きな幼稚園の正門から三軒程度しか離れていませんでした。

騒音が気になりましたが実際に見てみないとわからないと思いすぐに現地へ。しかし現地に着いた頃には辺りは暗く幼稚園は閉まっていたため雰囲気はわかりませんでした。建物はとても魅力的だったので、翌朝改めて現地へ行くことにしました。

しかし翌朝幼稚園の登園時間に行ってみると、住宅前をママさん方の自転車がひっきりなしに通り、園庭からは園児の元気な声がしてとても雑然としています。住宅の南側、リビングと同じ方向に幼稚園があるため、日中はずっと音が気になって天気の良い日でも窓も開けられないんだろうなと考え、諦めることにしました。

物件を見に行く時間帯は朝が良いとか夜が良いとか色々な意見がありますが、複数の時間帯で確認することがベストだと感じた物件でした。

隣りが建設会社の重機の駐車場

小平市に土地が広い庭付き物件がありました。築年数は多少古いですが土地面積を考えてもとても安く、リフォームすれば憧れの庭付き戸建に住めます。まだ住宅を探し始めて間もないころだったので、自分で周辺環境を調べる前に不動産会社へ連絡し内見予約しました。

内見予約後に落ち着いてGoogle Mapで場所を調べてみると、隣地が建設重機の駐車場となっており、パワーショベルが10台以上並んでいました。これは騒音や振動でダメかもしれないと思い、内見を待たずにすぐに現地へ行きました。

すると想像していたより巨大なパワーショベルが並んでおり、夜でも照明で昼間のように明るく照らしています。住宅との間には騒音を防ぐためと思われる巨大な鉄板が立てられていました。

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イメージ。このような重機や鉄板が並んでいました。

建築現場は朝が早いので早朝から出発します。早朝から重機の振動やエンジン音がしたり、夜も照明で照らされる状況を考えると、とても耐えられそうにないので見送りました。

不動産会社に内見辞退を伝えると理由を聞かれたので「先に現地を見に行ったところ、隣の重機の音が気になりそうなので」と伝えたところ、この営業マンは正直な人で「あ~そうですか。家主の方も音が気になるので早く売って静かな生活がしたいそうなんですよね」とのことでした。本当に買わなくて良かった。

一時間で50台の車が通過する抜け道

西東京市に庭付きで建物の造りもきれいな物件がありました。Google Mapで外観を見てもきれいな物件だったので現地確認へ行きました。

しかしGoogle Mapで下調べした時は気づかなかったのですが、住宅前の道路が抜け道で、日中は車が一時間に50台、自転車も数十台のペースで通過していました。夜にも見に行ったのですが、夜も比較的車が通っており、更にこの道は長い一直線なのでスピードが出ています。

これだけ車や自転車、通行人が多く通るのでプライバシーが確保できないこと、またスピードが出ることによる騒音を考えて見送ることにしました。

この道路は一方通行で幅員も大きくないので、地図で見てもこんなに車が通る道路とはわかりませんでした。現地へ見に行くことの重要性を感じた物件です。

南側が畑の第二種中高層住宅専用地域

東久留米市のある物件は比較的新しくて価格も良かったのですが、南側が一軒戸建を挟んで広大な畑でした。畑がある場合、近い将来土地が売られて建物が建つ可能性を考える必要があります。小さな畑なら戸建が建ち、広大な畑となるとマンションや商業施設が建つ可能性があります。それらによって日当たりが変わったり、人の流れが変わったり騒音が生じるかもしれません。

この物件近くの広大な畑は東久留米市の都市計画図で調べると第二種中高層住宅専用地域でした。第二種中高層住宅専用地域ということは4~5階建ての大きな建物が建つ可能性があり、そのような大きな建物が建つと日差しが遮られる距離にありました。もし大規模分譲地として開発されて戸建が建てば問題ないのですが、そこはコントロールすることができません。運に任せるのはリスクがあると判断し見送りました。

農家の方は高齢者が多いので、後継ぎがいなければ近い将来には土地が売られる可能性が大きいです。畑が北側なら建物が建っても日当たりに影響しませんが、南側の場合は要注意です。

私の家の近所にも南側が畑の新築戸建てがありました。子育て家族が暮らしており、リビングの窓外にサンシェードを設置するほど日当たりが良かったのですが、一年もしないうちに畑が売られて住宅が建ちました。その住宅は南側に隣接して建ったため、今では日中は完全に日陰となってしまっています。

このように南側に畑がある場合は、現在日当たりが良くても早ければ一年経たずして日の当たらない住宅になってしまう可能性があるということです。

隣人が路上駐車

多摩市のある物件は隣が保全緑地で、前面道路は緑地で行き止まりとなっていました。その道路はそこに住んでいる人しか使わないので、静かな環境が魅力でした。夕方に住宅情報サイトに掲載され、すぐに車で1時間かけて見に行きました。

しかし現地についてみると、前面道路の突き当りの緑地のところに車が停められています。どうも近所の住人が勝手に車庫として使っているようです。改めてGoogle Mapで確認してみると、ストリートビューが撮影された日も駐車されていて、常習犯であることが判明しました。

一つマナー違反する人は二つでも三つでも平気でマナー違反します。このような人がすぐ近くに住んでいることは他にも問題を起こすリスクがあるだろうと判断し、見送ることにしました。

日が当たらない家

西東京市のある物件は、西武新宿線の駅から徒歩4分という駅チカ物件でした。Google Mapで調べてみると前の道路が狭いことや、窓の雨だれが目立って見栄えが悪いという欠点もあったものの、何といっても駅から徒歩4分という土地の資産性や建物の造りがおしゃれという魅力もありました。

しかしGoogle Mapで一番気になったのは北側が道路で南側は隣家に隣接しているので、日当たりが悪いのではないかということです。早速現地へ見に行きました。

すると現地へ行ったのは昼頃だったのですが、一階は南側隣家の日陰になっており、リビングは明かりを点けている様子が見えました。昼頃でこの様子ということは一日中リビングに日が当たらないということです。最悪照明で明るさを出すという方法もありですが、やはり一生日に当たらない生活は避けたいと思い、見送ることにしました。

ラブホテル近く

小平市のある物件は角地にあり小さいながらも庭付きでした。外階段が付いている二世帯住宅で、建物自体は良かったのですが、気になる点が二つありました。

一つは車庫が建物に対して垂直だったため、大きいサイズの車が格納できないこと。もう一つは三軒ほど隣がラブホテルだったことです。

実際現地を見に行きましたが、夜はラブホテルの看板の明かりが目立っていたり、家の前をラブホテルへ向かう車が通るのは嫌だなと思ったのと、我が家の車が車庫に収まらないということがわかったため、見送ることにしました。

小さな工場に囲まれた准工業地域

国立市のある物件は比較的新しかったのですが、北側の隣がマンションでした。北側なので日当たりには影響しないのですが、多くの住戸から見降ろされている感じが気になるところでした。さらに周りには会社や工場が多い地域でした。

国立市の都市計画図を見てみると、住居専用地域ではなく準工業地域であることが判明。準工業地域ということは危険性や環境悪化の恐れがある工場を除き、ほとんどの工場や商業施設が立てられる地域です。

安心して静かな環境で暮らすためには住宅専用地域が良いと考え、見送ることにしました。

擁壁あり

日野市の物件は閑静な昭和の住宅地にありました。正方形の住宅で造りも良かったので現地へ見に行きました。

現地へ行ってみるとその住宅地は坂のエリアにあるため、どの住宅も擁壁がありました。もともとGoogle Mapを見て擁壁があることはわかっていたのですが、なかなか物件が見つからなくて焦りだしていた時期だったので、エリアを広げて日野市まで見に行ったんです。しかし別の記事でも書きましたが後々のメンテナンスを考えるとなるべく擁壁のある物件は避けたいということと、希望していた西東京市からだいぶ離れていたので、家族で話して見送ることにしました。

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イメージ。

その2に続く

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