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HOUSE 住宅購入

私の出会った物件あれこれ ~その2~

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私は今の住宅を購入するまでに実際に出会った物件について紹介します。

前回の記事で”その1”を紹介しましたが、今回はその続きです。

ネット情報で購入を見送った物件

住宅情報サイトには建物の外観や内観などの写真が掲載されており、オール電化だったり私道負担といった物件の詳細情報も記載されていることが一般的です。しかし写真だけではわからないことも多く、情報を補完してくれるのがGoogle Mapです。

例えば旗竿地より整形地の方が地価も高く人気ですが、外観写真だけではわかりません。リビングは南向きが良いに決まっていますが、間取り図に記載されていないことも多いです。

Google Mapで物件の場所を探し出すことができれば、航空写真やストリートビューでそのような情報を補完することができるのです。

ここでは現地へ行かずに住宅情報サイトとGoogle Mapの情報で見送った物件を紹介します。

ハザードマップで浸水

府中市のある物件は住宅情報サイトの写真を見たところ整形地で建物も街並みもとてもきれいでした。しかしGoogle Mapで調べてみると多摩川沿いすぐ近くにありました。もしやと思って府中市のハザードマップを確認すると、多摩川が氾濫した際に3m~5m浸水が想定されるエリアにありました。

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多摩川氾濫避難マップ(出典:府中市)。多摩川沿いは広く浸水被害が想定されています。

ハザードマップさえ気にしなければ魅力的な物件ですし、実際に多摩川氾濫が起きるのかはわかりません。別の記事でも記載しましたが、安心して暮らすためにはハザードマップで地震や水害、土砂災害といったリスクが想定されている場所は絶対に避けるべきなので、見送ることにしました。

2018年の西日本豪雨ではハザードマップの浸水想定と実際に起きた浸水被害がほぼ一致したという話もあります。近年ゲリラ豪雨も増えていますし、もし「洪水なんて滅多に起きないから」と妥協して購入していたら毎年夏の大雨の時期になるたびに不安になっていたことでしょう。

プロパンガス

小金井市のある物件は立派な建物で、小金井公園近くの閑静な住宅地にありました。価格は比較的安くてギリギリ手が届く範囲だったので、こんな立派な家に住めるかもと期待に胸を膨らませました。

しかしGoogle Mapで外観を見てみるとガスボンベがありプロパンガスであることが判明しました。東京都は都市ガス普及率90%なのになぜこの立派な家がプロパンガスなのか理解できませんでしたが、東京でもたまにプロパンガスの物件を見かけるので要注意です。

親切な不動産会社は住宅情報サイトに記載していますが、デメリットとなるので書かれていないことも多いです。

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プロパンガス。

プロパンガスは別の記事でも紹介しましたが、ガスの単価が高いですし基本的にはデメリットしかありません。東京都内の暮らしでは避けたいところです。

立派な家に住んでみたかったのですが、プロパンガスは今後の暮らしを考えると受け入れられなかったので、残念ながら見送ることにしました。

高圧線の下

西東京市のある物件は、住宅情報サイトに掲載された外観写真を見てみると、後ろに高圧線の鉄塔が写っていました。Google Mapで物件の位置を確認してみると、ちょうど高圧線の真下に位置していました。

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イメージ。気にならない人には問題ないかもしれません。

電磁波の影響による健康被害が心配だなとネットで調べてみると、経済産業省商務情報政策局の資料に「磁界を一定以上浴びると小児白血病のリスクが増えるが、生物学的な研究では悪影響を及ぼすような再現性のある結果は得られていない」となんとも心配なことが書かれています。

磁界は悪影響はあるものの、建物は健康被害が起きない距離まで離すよう法律で建築制限されているそうで、それに則れば高圧線の下でも問題ないということです。しかしできれば避けたいという思いと、不動産取引では「嫌悪施設」として扱われ資産性が低くなるということだそうなので、見送ることにしました。

最寄り駅からバス19分

東久留米市に昭和のデザインで重厚な佇まいの物件がありました。価格も安く、気になるのはコンクリート造りの駐車場の屋根が低いので壊せば良いかなというくらいで、とても魅力的な建物でした。

しかし問題は交通の不便さでした。住宅情報サイトには最寄り駅からバス19分、徒歩7分と書かれています。最寄り駅からもバス停からも遠いのです。私の夫の実家は最寄り駅からバスで15分のところにあったそうで、バス生活は時間が読めなくてとても不便だったとのことでした。

その当時西東京市に住んでいましたが、自転車通勤の夫が雨の日にバスに乗ろうとすると、渋滞によりバス停への到着時間が大幅に遅延した上、同じように当日バスに変えた会社員や学生で溢れかえって満員となり、次のバスに乗るよう案内されるということが幾度もあったそうで、夫としては都内でバスに乗らなければならない物件は避けたいということでした。

この物件は二回見に行った魅力的な建物だったのですが、残念ながら見送ることにしました。

車庫幅が狭い

西東京市の物件は閑静な住宅街にあり、袋小路の奥にある旗竿地でした。建物自体は良く西東京市を希望していた私としては立地も言うことありませんでした。

しかしGoogle Mapで確認したところ、この物件は袋小路の突き当りを二つに割って片側の住宅だったのですが、間口となる駐車場入り口が狭いことがわかりました。近年の開発分譲地では間口が狭くならないように駐車場の間に仕切りがないことが多いですが、この物件は隣家との間にブロック塀が設置されていたので、その壁の間しか空間がありません。

一般的に車庫の間口としては車体幅+90cmの空間が必要だそうですが、測ってみると+20cm程度しかありませんでした。もしかすると頑張れば停められるかもしれませんが、いつかはぶつけてしまうであろう難易度の高さのため、見送ることにしました。

購入できなかった物件

物件を探し始めた比較的初期に、希望した西東京市で条件がとても良い物件がありました。整形地で袋小路の奥にあるため人通りは少なく、南側は建設会社の駐車場なので朝早い出入りがありそうですが、日当たりは抜群です。

当時はまだどの物件も内見に行ったことがなく、早い者勝ちという意識が低い時期でした。住宅情報サイトにメール配信も未登録で、自分で検索して見つけたのですが、不動産会社へ直接訪問してみると既に順位は5番目で、一番手の人は住宅ローンの本審査中とのことでした。

結局その方の本審査が通り購入されたそうで、この時に一番乗りする重要性を経験しました。

その後二年近く希望の物件が見つからなかったので、ずっとこの物件を買うことができなかったことを後悔していました。最後には条件の一番良い今の物件に出会えたので結果として良かったのですが、住宅の購入希望者の中にはいつまでも一度見た物件に引きずられて、同等もしくはより良い条件のものを買おうとして何年も買えないという人は多くいるそうで、私もその状況に近かったと思います。

番外編

番外編として物件を探す中で経験したことを紹介します。

要領の悪い新人営業

物件を探し始めた比較的初期に、不動産会社へ連絡して国立市の物件を内見に行きました。住宅情報サイトには複数の不動産会社がその物件を掲載していたのですが、某社一社のみ100万円安く掲載されていたので、これはラッキーだとその会社へ連絡してしまいました。

不動産会社へ訪問すると新人だという担当者と共に上司の方がやってきて、上司の方が開口一番「この物件は家主の方が価格を100万円上げたのですが弊社の担当が修正漏れしてまして。。申し訳ありません」との謝罪から始まりました。この時点でこの不動産会社を選んだ理由がなくなっていますし、ヤバそうだなと気づくべきでした。

一般的に不動産会社では価格で釣ることはしません。これは本当にこの新人担当者が修正漏れしていたようです。この新人担当者はなかなか不器用な方のようで、とある物件を見に行った際は車を隣家にぶつけて塀を壊したので謝罪に付き合ったり、内見に行った物件が希望に沿わなかったので物件を見繕ってくれたのですが、登録した希望条件からかけ離れた物件を提案してきたりという状況でした。

人柄は実直だが不器用という方で、人としては憎めない方なのですが、一生の買い物を任せることはできないと考え、また機会があったらということで離れました。

未公開物件を掲げる不動産会社

希望条件の物件が長い間見つからない中で、良い物件を早く見つけるためには未公開物件に出会うことができれば良いのではと考えました。ネットで検索してみると某不動産会社のHPに「未公開物件情報多数」と紹介がされており、条件を入力して物件を検索すると、個人情報を登録することで未公開物件が見られるという仕組みになっていました。

一般的には中古物件は一般媒介契約以外はレインズに登録義務がありますし、一般媒介も住宅情報サイトへ掲載されているのがほとんどなので、未公開物件など本当にあるのかと疑いつつ、わずかの期待を込めて会員登録しました。

すると表示されたのはどれも他の住宅情報サイトでも見られる情報ばかり。そればかりか個人情報を登録したので営業マンから連絡が来るようになってしまいました。

多店舗を展開していて街中でもよく名前を見かける会社ですが、ただ個人情報を入手するためだけのようなやり方が不誠実だと感じたので、その後こちらの会社とは連絡を取りませんでした。たぶん掲載物件の中には一部未公開のものも存在はしているのだと思いますが、あたかも多数取り扱っているような表現はおかしいですね。

地域密着の不動産会社はどうか

私はキッチンのリフォームや畳の交換をした際、地元の比較的小さな会社を選んでいます。大きくなるほど利益を追求するためコストも上がっていきますし、営業と作業者で部署が異なったり、場合によっては会社も異なったりして意思疎通が取れないリスクも増えるためです。

あるとき住宅情報サイトで見かけたある物件を取り扱っている会社が、西東京市の小さな不動産会社でした。不動産会社ももしかしたら地域密着の小さな会社の方が地元の掘り出し物件に出会えたりするのではないかと思い、訪問しました。

店舗を訪問したところ家族経営の会社のようで、丁寧に話は聞いてくださり、希望条件を伝えて「日々住宅情報サイトは見ているので、そこに出ていないような物件があったら教えてください」と伝えたのですが、結局その後一度も連絡が来ることはありませんでした。

住宅情報サイトに出ていないような物件がなかったのか、忘れられていたのかはわかりません。しかしレインズという仕組みがある以上、基本的には未公開物件というものはないことや、未公開物件があるとしたら売主と不動産会社で媒介契約を結んでレインズへ登録するまでの数日間のものだと思いますが、一般的には売主は大手不動産会社へ媒介を頼むだろうということを考えると、小さな会社が掘り出し物件を持っていることはあまり期待できないと思われます。

おわりに

今回の記事では私の実際に出会った物件を紹介しました。これだけ経験しているとだいぶ目利きができるようになりましたが、どの物件にも不満点が見つかってしまうため、長い間物件を決めることができませんでした。

私はたまたま最後に理想の物件に出会えましたが、一般的には妥協も必要だと言われます。理想だけ追い求めていると何年も、下手したら一生出会えないかもしれません。一方で妥協して後悔しないために、あらかじめ自分の譲れない点、妥協できる点を整理しておくと良いと思います。

これだけ見てきて感じているのは、住宅情報サイトには写真も多数掲載されているものの、実際に見ないとわからないことも多いということと、Google Mapが大いに活用できるということです。

住宅情報サイトに載っている情報は限定されているので、Google Mapを見ることで補完することができます。Google Mapで位置を特定すれば、ハザードマップの災害想定があるかを確認したり、周辺環境を確認したりすることができます。

そこで問題がない物件だけまず自分で現地へ確認に行き、実際に建物内を見たければ不動産会社へ連絡して内見予約、とすれば無駄がないのでおすすめです。

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